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銀悪魔は困ってる。

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銀悪魔は困ってる。



中には色々言う奴もいますけどね。
私は山羊足の魔術師に賛成ですよ。
あれは雑把だし、やることも無茶が多いですけどね。
いいじゃないですか。
誰だって、一つぐらい譲れない物があるでしょう。

確かにね。
竜王殿の言いたいことも判るんです。
竜王殿は立派ですよ。
私も銀翅の魔杖なんて呼ばれてますがね、
及びもつきません。
あのお年で前線に立って人間と戦い、
未だ恐れられている存在なんて、他に誰がいますか。
「思うがままに生きていたら、こうなっていただけだ。」
そう、仰ってらしたけどね。
相手が相手ですからね。
大変なことばかりだったと思いますよ。
そんな竜王殿からすれば、
長年の敵と協定を結ぶなんて、
到底納得できる事じゃないでしょうよ。

実際、人間ほど恐ろしい生き物はいません。
勝手に見かけや自分の価値観だけで、
他族を悪魔、化け物呼ばわりして、
殺しを正当化するんですからね。
自分が生きるために、
他者を殺さなければならないのは、世の常ですが、
正当な殺害など、この世にはないっていうのにね。
挙げ句、肌の色や出身、能力の違いで、
自分の同胞まで差別の対象にするんだから、
信じられませんよ。
ええ、根こそぎ滅んだ方が、
益あって害なしだと、私も思います。

でもね、赤子はやっぱり、可哀想ですよ。
初期能力も低いし、知識もない分、
ちゃんと育てれば、
我々の側に立つことだってあります。
カオスの娘、キィですか。
あれはきいことか、きいたんとか呼んでますね。
本当に血が繋がっているのかどうかは知りませんが、
魔術師が可愛がって、その延長で、
他のもまとめて保護しようとしているのも判るんです。
あの子は私の顔を見ても泣いたりしないんですよ。
いつもニコニコしててね。
父親の知り合いで他種族を見慣れていると言っても、
トカゲ面の銀悪魔族なんて、
私ぐらいしか、いないでしょうにね。
ちゃんと覚えているんですかね。

大きく育って、我々の敵になることが確定した奴は、
もう、仕方がないけれど、
何も判っていない弱いものを、
人間だからって理由だけで殺したら、
それこそ、あいつ等と同じじゃないですか。
それに向こうのを庇う代わりに、
あちらも一応我々の子供には、
手を出さないことになってるんでしょう。
そこが一番大事ですよ。
生きとし生ける者は、いつか死ぬんです。
文明、技術、財産、想いや誇り、
どんなに大切にしたって、
死んだらそれっきりじゃないですか。
死んだ後も何か変わるとしたら、それは子供でしょう。
種族同士で同盟を結び、人間と協定を結ぶことで、
少しでも小さい子供を守れるのであれば、
努力をするのが大人の義務じゃないですか。

だからね、別に構わないんですよ。
会議のために場所を貸すのは。
場所だけ貸して、黙っているわけにも行きませんし、
掃除だってね、しないわけにも行きません。
でも、どうせ掃除はしなければいけませんし、
お茶をだす手間ぐらいで、会議が円滑に開かれるなら、
このリカルド・アークライト、全身全霊を持って、
喜んで勤めさせていただきますよ。
でもね、でもね。

毎度毎度、喧嘩して、
家具や部屋を滅茶苦茶にするのは、
いい加減、止していただきたいんですけれどね。
私、そんなに勝手なこと、言ってますかね。

「ほら見ろ! 毎回お前がバカみたいに暴れるから、
 リキッドが困ってるじゃねえか!」
「お前が毎回、止めろって言ってるのに、
 公私混同するからだろうが!」

魔術師と竜王、どちらが悪いかなんて事は、
どうでもいいんです。
ですが、会議場をもう少し、
大事に使ってもらいたいのです。
後、修理する時間もいただきたいのです。
ああ、今日も派手に壊されたなあ。

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津路志士朗
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