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あたたかいばしょ。

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あたたかいばしょ。



こんなはずではなかった
何故、そう思うのか
何が違うのか
それはわからないが、ただ思う
こんなはずではなかったと

そこは幸せなはずだった
望まれているはずだった
安心できるはずだった
愛されるはずだった

けれども、そうではなかった
なくなった

何時からか
どうしてなのか
何がいけなかったのか
わからない
わからないが、

寒い
痛い
怖い
苦しい
悲しい

寂しい

ああ、おなかが減った
ぶたれるだろうか
怖い 怖い
ここは寒い
苦しい

助けて
誰か助けて

誰も応えてくれない
悲しい
寂しい
ああ、こんなはずではなかったのに
何がいけなかったのか
わからない
わからない
苦しい 苦しい

誰か ああ誰か

「こんなところにも居たのか。」

怖い!
誰か来た
怖い 怖い
また怒鳴られる
打たれるかもしれない
怖い!

「おっと、まてまて。」

つかまった!
打たれる 冷たい物を浴びせられる
痛い目に遭わされる
嫌だよう 怖いよう!

「よしよし、もう大丈夫だからな。」

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!

「御免な、気がつくのが遅くなって。」
 さあ、一緒に行こうな。」

・・・打たれない
怒鳴られない 冷たくない 苦しくない
ゆらゆらする
なんだろう ゆらゆらする
前にも、こんなことがあったような気がする

暖かい

「ただいま。」

空気が、変わった
降ろされた ゆらゆらしない
ここはどこだろう

「お帰りなさいませ・・・またですか?」
「ああ、まただ。」
「可哀想に。どこにいたんです?」
「海の底にな。ふらふら漂ってたのに気づいたんだ。」
「それはよろしゅうございました。
 どうして、そんな所にいたんでしょうね。」
「さあなあ。たまたま流れ着いたのか。
 それとも、放り込まれたのか。」
「酷い話です。どうして、そんな、
 …いえ、言っても詮無きことですね。」

二種類の声
低いのと少し高いの
何か、話してるんだ

「また、きいこがちいさくなるなあ。
 今度はどれだけ小さくなるんだか。
 お前にも迷惑かけるな。」
「マスターがその様なこと、
 お気にされる必要などございません。
 それに、私は今の仕事が気に入っております。」
「お前等は口を揃えてそう言うなあ。
 誰の躾だよ。俺じゃないぞ。」
「誰に言われたわけでもありません。
 私たちが選んだ答えです。」
「さいですか。ま、好きにしろよ。」

穏やかな声 
なにを、話してるんだろう
わからない
わからない、でも

ここは、暖かい
怖くない?

「マスター! キィ様を連れてきたよ!」
「ルッツ、貴女はまた、その様な物言いで。」
「御免なさいー」
「それにバタバタと。静かにしなさい。」
「やめろって。…ああ、よく寝てるな。丁度良い。」

また、誰か来た
楽しそうな声 
穏やかな声
優しい手つき
打たないの? 怒鳴らないの?
ここは、怖くないの?

「よしよし、そのままジッとしてろよ。」
「相変わらず、何を言うわけでも、するわけでもなく、
 ただ、あるだけの存在なのに、
 どうしてこんなにも、いじらしいんでしょうか。」
「なんだか、うずくまってるみたいに見える。
 そんな気がするよ。」
「どうなんだろうなあ。
 その辺は俺にもわからんしな。」

何を話してるんだろう
何で怒鳴らないんだろう
打たれないのかなあ
痛くされないのかなあ
怖くないのかなあ
 
「よかったねえ。
 マスターに、見つけてもらえてよかったねえ。」
「もう、大丈夫ですよ。」
「大丈夫なんだか、どうなんだか。」

痛くない
怖くない
暖かい

ここは何処?
貴方は、誰?
貴方は…

 

…ここは、何処だろう

『だれかきたよ。』
『おともだちだよ。』

友達?

『あんたも、おとうたんにつれてこられたんだね。』
『よかったねえ。』

ここは何処なの?
きみらは、だれなの?

『おんなじだよ。』
『みんな、おんなじだよ。』
『よかったねえ。』
『もう、だいじょうぶだよ。こわくないよ。』
『あつくも、さむくもないよ。』
『おなかもいっぱいになるよ。』
『みんな、やさしくしてくれるよ。』

よく、わからない
同じって、なんだろう
大丈夫って、どういうことだろう

『おや、新しい子がきたの。』

貴女は、誰?
ここは、何処?

『大丈夫、何も心配しないで。
 そのうち、わかるから。
 ここでゆっくり休みなさい。
 何の心配もいらないから。』

わからない わからない
此処にいて、いいの?
怒られたり、しないの?

『…可哀想に。今まで辛かったでしょうね。
 大丈夫。
 今まで辛かった分、此処で沢山愛されて、
 沢山幸せになって、
 また元気になるまで、ゆっくり休みなさい。』

大丈夫
大丈夫って、なんだっけ
此処は、怖くないけど
暖かい、けど

『ああ、きいたんが目を覚ますね。』

なんだろう
眩しい 眩しい

 


…何か、見える
何かが、当たる
このふわふわは何だ
此処は、何処?
わからない わからない

助けて!

「ふにゃあぁぁぁあ!!」
「お、起きたな。」

黒い髪、蒼い目
知らない顔
誰?

「よしよし、今回はずいぶん小さくなったな。」

何かがさわる 体が浮かぶ
怖い! 怖い! 
誰? さわらないで!

「ふぎゃあああああ!!」
「よしよし、泣かない泣かない。」

捕まった! ゆらゆらする!
嫌だ! 嫌だ!

「ああ、うるせえなぁ。腹減ってるのか?
 泣くんじゃないよ。 
 すぐ、ミルクやるから。」

何か、口に当たった!
怖い! 熱いかもしれない 痛いかもしれない

「飲まないのか? …ああ、なあ。
 赤ん坊がミルクを飲まないなんて、
 よっぽど酷い目にあったんだな。
 ほら、大丈夫だから。スプーンならいけるか?」

何か、口に入った
熱くない、痛くない
…おいしい?

「よしよし、大丈夫だからな。
 なれたら哺乳瓶で飲もうな。」

熱く、なかった
怖くなかった
此処は、何処だ?
貴方は、誰?

「ひぃいぃ、ひいぃい…!」
「よしよし、大丈夫、大丈夫。」

体がゆらゆら揺れる
何かがぽんぽんお尻をたたく
けど、痛くない

「キィ様、起きたんですか?」
『起きた! 起きた!』
『きいたん、起きた!』

また、誰か来た

『きいたん、起きた!』
『きいたん、おはよう!』

ひぃ! 毛むくじゃらだ!!

「ぎにゃあああああああ!!」
『泣いてるぞ!? 大丈夫?』
『なんも怖くないぞ! 兄ちゃんが、守ってやるぞ!』

毛むくじゃらだ! 
怖いよう!
食べられちゃうよう!!

「やめろ! お前等におびえて、泣いてるんだよ!
 舐めまわすな! 飛びつくな!」
『大丈夫! ボクら、霊体だから大丈夫!』
『舐めても、汚れない!』
「そう言う問題じゃねえ! 
 ったく、こんな時ばっかり変な主張しやがって!!
 ルッツ、こいつらを摘み出せ!」
「はーい。さ、ルーもティーも、いきますよ。」
『つまんない! つまんない!』
『いっつも、お父さんばっかり! つまんない!』
「煩い、毛玉どもはさっさと出てけ!」

バタバタ、ガタガタ、大きい音 怒鳴り声
怖いよう、嫌だよう
やっぱり、此処も怖かったんだ
きっと、いじめられるんだ
怖いよう!

「ぎぃぃぃぃぃぃいい!! ひいぃぃぃぃぃぃい!」
「よしよし、吃驚したな。
 大丈夫、大丈夫。」
「ぎぃぃぃぃぃぃいい!! きぃぃぃぃぃぃい!」
「しっかし、なんでお前はほぎゃあじゃなくて、
 ぎぃーって泣くんだ?」

怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い・・・けど。
痛くならない 冷たくも、熱くもない
ゆらゆらする ぽんぽん、とんとん 同じリズム
とんとんとん とんとんとん
痛くない

おなかが、減ったなあ
疲れちゃった
とんとん リズムが気持ちいい 
ゆらゆらふわふわ 気持ちいい
此処は暖かい

「うー・・・」
「ようやく泣き止んだか。
 よしよし、そのまま寝ちゃえ、寝ちゃえ。」

絶え間なく聞こえる低い声 これは、歌?
同じリズム  
とんとん、ゆらゆら、とんとん、ゆらゆら
此処は暖かい

ここが何処だか、わからない
これからどうなるか、わからないけど

ああ、ずっと、これが欲しかったんだ

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津路志士朗
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